【25.09.22】【ELDEN RING NIGHTREIGN】1回走ってタコスを食べに行くのさ

序章 曇天に裂ける呼び声

灰色の雲が垂れ込め、地上は陰惨な静寂に包まれていた。
この世界の名は「NIGHTREIGN」。
幾千の夜が降り積もり、陽光は失われ、人々は永遠の黄昏の中をさまよい続けている。
そこで私と、盟友ソラールニキは、奇妙にして稀有なる「約束」に縛られていた。

それは――「走ること」と「タコスを食べること」。

誰もが嘲笑する。誰もが疑念を抱く。
だが私たちは知っていた。
ただひとときの奔走と、ただ一度の食卓が、あらゆる戦いよりも尊く、
剣戟よりも強く魂を結びつけることを。

第一章 灰と血と疾走

地に響くのは断末魔の嘶き、空を裂くのは古き神々の呻き。
私とソラールニキは剣を抜き、斧を振りかざし、闇に巣食う怪物たちをなぎ倒していく。
ひと太刀ごとに血が飛び散り、ひと呼吸ごとに灰が肺を焦がす。

だがその戦いは、ただ生き残るためではなかった。
戦い抜いたその先に、私たちを待つのは――タコス。

その名を口にするたび、陰鬱な大地に微かな彩りが差す。
「タコスを食べに行こう」
そう囁くだけで、絶望の沼に立ち尽くす足は、再び走り出す力を得るのだ。

第二章 陰惨なる饗宴の幻影

しかし、容易に辿り着けるものではない。
タコスを求める者たちは無数に存在し、皆が飢餓と狂気に侵されている。
彼らは肉を裂き、血を啜り、己が歯で大地を噛み砕きながら、ただ一つの料理を求め続ける。

そう、タコスは「食」と「死」を繋ぐ門。
一度その扉に触れたなら、誰もが抗えぬほどの執着を抱く。
ソラールニキが呟く。
「この道を越えた先に、本当にタコスはあるのか?」
私は答える。
「ある。必ずだ。でなければ、我らがここに走る意味が失われる」

そしてまた剣を振り抜き、骸の山を築いてゆく。

第三章 荘厳なる約束

やがて霧の向こうに、古代の石碑が立ち現れる。
そこには崩れかけた文字でこう記されていた。

――「ひとたび走り抜けし者にのみ、タコスは供される」――

荘厳なる約束。
それは神々が人へ与えた最後の恩寵。
血に濡れた手で石碑を撫で、私たちは確信した。
私たちの走りは無駄ではない。
すべては、この荘厳なる饗宴へ辿り着くための道程だったのだと。

第四章 走り、そして走り続ける

私たちは走る。
燃え盛る塔をくぐり、倒壊する大橋を駆け抜け、奈落の淵を飛び越える。
背後では闇の軍勢が咆哮し、前方では異形の怪物が待ち受ける。
だが恐怖はなかった。

ただ胸にあるのは、ソラールニキとの約束。
「走って、タコスを食べに行こう」

その一言が、すべての苦痛を凌駕する。
私たちの足音は雷鳴となり、大地を震わせ、夜を打ち破る。

第五章 タコスの前で

そして――ついに辿り着く。
廃墟の中央、崩れた祭壇の上に、奇跡のように一皿のタコスが置かれていた。

それは黄金色に輝き、香りは天地を貫き、見上げれば黒雲すらその光に裂けてゆく。
血の匂いも、灰の苦味も、絶望の叫びも、すべてを凌駕する芳香。

私とソラールニキは武器を置き、肩で息をしながらその一皿を見つめた。
「これが……」
「そうだ、我らが求め続けたものだ」

私たちは剣でなく手を伸ばし、タコスを掴み取る。
それは戦場に咲いた、一輪の花のように儚く、美しい。

第六章 宴の余韻、そして再び

一口かじる。
熱は舌を焦がし、肉は力を与え、香辛料は魂を震わせる。
涙が零れる。戦いの痛みでも、死者の嘆きでもなく、ただ生きている歓びの涙。

ソラールニキが笑う。
「タコスのために戦い、タコスのために走り、タコスのために生きる……俺たち、なんて愚かで、なんて尊いんだろうな」
私は答える。
「その愚かさこそが、我らを生かすのだ」

そして私たちは誓う。
「この夜がいくら長く続こうとも、また走り出そう。タコスのために」

終章 永遠の夜に灯る光

NIGHTREIGNは続く。
死も絶望も、この地を覆い尽くす夜を止めることはできない。
だが、その夜の只中にあってなお、一皿のタコスが私たちを導く。

それは荘厳にして陰惨な世界に差す、小さな、美しい灯火。

――私たちは1回走って、タコスを食べに行くのさ。

それが、この終わりなき夜に挑む、私たち二人の、誇り高き物語。

Leave A Reply