調理長とゆく ~自家製柚子で作る柚子コショウ~

湯村温泉旅館の朝野家は、珍しいことに農作業部があります。
農作業部では、朝野繁会長を中心に椎茸やお米、なすなどさくさんの食材を栽培しており、その食材を使ってお客さんにおもてなしをしているのです。今回は、柚子畑に行ってきました。

 旅館から500メートルほど離れた敷地に柚子の木があり、その数約100本。8月から10月中旬までの今の時期、緑色の柚子が実をつけ、晩秋になるとこれが黄色に色づくのです。
 柚子畑に入ると、ゴルフボールぐらいの大きさで濃い緑をした柚子が、柑橘系の香りを漂わせ清涼感が広がります。柚子の香りが大好きだというきっかけで約40年前から始めた柚子栽培。完全無農薬栽培で安心・安全の柚子が板場で調理され、会長の想いと一緒にお客さんの元に届けられるのです。そのもぎたて柚子を使って佐藤調理長に「柚子コショウ」を作ってもらいました。

 「柚子こしょう」とは九州地方の調味料。鍋や刺身などの薬味として多く使われていますが、現在では、全国的にも広がりを見せています。
 「柚子コショウ」とは言っても、柚子の皮と青唐辛子をすり下ろし、 塩を加えて混ぜ合わせたもので、コショウを入れるわけではありません。九州地方では青唐辛子のことを「コショウ」と呼ぶところがあり、その青唐辛子を使って調理することから「柚子コショウ」と呼ばれているのです。
 柚子に包丁を入れると爽やかな香りが調理場を包み、刻んだ柚子の皮は新緑のように色鮮やか。少し手に取ってなめてみると、青唐辛子がピリッときて、柚子の香りがフワッと広がり、塩辛さがキュッとしめる。4日ほど寝かせると、それぞれが馴染んでさらに風味豊かになるそう。脇役だけども存在感のある上品な一品です

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